診療案内

排尿障害

前立腺肥大症、失禁(尿漏れ)についてご説明します。
前立腺肥大症  失禁(尿もれ) 


前立腺肥大症

前立腺肥大症は、中高年男性によくみられる排尿障害の原因となる前立腺の良性腫瘍である。

その有病率は高く、加齢とともに増加する。前立腺肥大症は、前立腺癌とは異なり生命予後に関係することはまれであるが、排尿困難、頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿などを主な症状としており、生活の質(QOL: Quality of Life)には大きく影響を与える疾患である。自覚症状、他覚症状の重症度に応じて様々な治療法がある。2001年12月に前立腺肥大症診療ガイドライン(http://square.umin.ac.jp/jsee/menu10-1.html)が作成された。非常に細かい部分まで記載されているので詳細を知りたい方はそちらを参照していただきたい。 当科では、ガイドラインは参考にして患者さんそれぞれの症状に応じて担当医がその治療法を選択している。

尿の勢いが悪い」「尿がもれる」「尿が途中でとぎれる」「排尿に時間がかかる」「何度もトイレに行く」「排尿後も尿が残った感じがする」「夜中に何度もトイレに行く」。以上のような症状がある方は受診することをお勧めします。



失禁(尿もれ)

大阪大学医学部付属病院泌尿器科では排尿機能外来を設置し(木曜日・午後)、尿失禁や排尿障害について専門的な検査と治療を行っております。手術治療では従来からあるコラーゲン手術から新しい治療であるTVT手術まで行っています。また、干渉低周波治療器も導入しています。


1 概略

尿失禁(尿漏れ)は自分が排尿をしようと思っていないときに尿が出てくる状態を言います。例えば、なわとびやジョギングをしているときに漏れる人や、トイレに行こうとして間に合わずに漏れる人もいます。また、漏れる量もひとそれぞれで下着に少しつく程度のひとから下着を1日に何回もはきかえる必要があるひとまでいます。尿失禁は女性に多く、女性の3人に1人が尿失禁を経験していると言われています。尿失禁は人に話しにくいことやある程度の年齢になれば仕方がないとあきらめることから病院を受診しない人が多数いますが、実際は治療のできる病気なのです。

尿失禁には大きく分けて、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁、混合性尿失禁の3つに分けられます。腹圧性尿失禁はせきやくしゃみ、運動などで尿が漏れる状態を言います。切迫性尿失禁は尿がしたくなってもトイレまで間に合わず漏れてしまう状態を指します。混合性尿失禁は腹圧性と切迫性の混じた状態です。



2 治療法

治療法は失禁の種類により異なります。腹圧性尿失禁の場合、程度が軽い場合は骨盤底筋体操やβ受容体刺激薬が有効です。程度が重い場合は最近TVT手術などが広く行われ、良好な治療成績が報告されています。またコラーゲン手術なども行れています。切迫性尿失禁に対しても骨盤底筋体操が有効だとも言われていますが、それだけでは効果が乏しく、抗コリン剤といわれる薬が非常に有効です。副作用はのどの渇き、便秘などがありますが、重大な副作用は少なく、安全かつ効果が望める薬です。さらに、最近では干渉低周波治療器が保険適応になっています。混合性尿失禁の場合は薬物治療もしくは手術、手術と薬剤治療の併用があります。また、その他治療法もさまざま試みられています。


コラーゲン手術

尿道から細いカメラを挿入し、尿道の脇にコラーゲンを注入する手術です。手術時間は15-20分程度です。


TVT手術

尿道の周りにテープを置く手術です。手術時間は30-40分程度です。


骨盤底筋体操

この訓練は、尿道周囲、膣周囲の筋肉(尿道括約筋・肛門挙筋)を鍛えることにより、尿道を閉めるちからを高め、尿失禁量を減らします。


β受容体刺激薬

膀胱排尿筋を弛緩させ、尿道括約筋を収縮させる薬です。主に腹圧性尿失禁の人に用います。


抗コリン剤

膀胱排尿筋を弛緩させる薬剤です。主に切迫性尿失禁の人に用います。


干渉低周波治療器

干渉低周波治療器は下腹部と臀部に貼った電極から低周波を流す治療です。1回20分で週2回行います。大阪大学医学部泌尿器科の研究では切迫性尿失禁に対して、50%以上の人に効果がありました。